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オルセー美術館展 パリのアール・ヌーヴォー

みどころ

サロン

floor stand
このコーナーでは2つの優美なフロア・スタンドが来場者を迎える。共に日本美術の影響の濃いジャポニスムの作品であり、どちらも水辺の植物をモチーフとし、その葉陰に今にも動き出しそうなトンボやカタツムリ、カミキリムシなどが潜んでいる。

《フロア・スタンド 葦と蜻蛉の装飾》は、同じモデルを女優サラ・ベルナールが所有していたことで知られている。

サロンは、食後に、シガレット、お酒、コーヒー、そしてゲームを楽しむ空間でもあった。エミール・ガレの《ゲーム・テーブル》は、天板が観音開きになるもので、両面に植物文が寄木象眼によって描き出されている。

ダイニング・ルーム

tea set
邸宅内のパブリック・スペースとして大きな空間を占めるダイニング・ルーム。堂々としたダイニング・セット、シャンデリア、暖炉、そして壁面はパネル形式の絵画で装飾されることもあったようだ。本展でもこのダイニング・ルームが最初のメイン・コーナーとなる。

その中心となるダイニング・セットは、食器台、食卓、2脚の肘掛け椅子と5脚の椅子、そして花を飾るための2台の小家具から構成されている。アール・ヌーヴォー博とも言われた1900年のパリ万国博覧会に出品され、当時「非の打ちどころがない」と高い評価を受けた。マホガニー材には、優雅な植物装飾が施されている。

食卓上部のシャンデリアは、金メッキされたブロンズのフェアリー像が大変豪華な逸品。アール・ヌーヴォーの彫刻家ラウル・ラルシュは、1900年の万博で金賞を受賞している。

さらに、食卓を飾る数々の銀器。コーヒーポットやティー・セット、カトラリーなどが展示される。壁面の装飾パネルには、優美な音楽を奏でる神話の女性たちが描かれている。

書斎

table lamp
サロン、ダイニング・ルームが表向きの公的空間であるのに対して、書斎はあくまでも屋敷の主人の個人的な空間。

このコーナーでは、オルセー美術館のアール・ヌーヴォー・コレクションを代表するものの1つである、ルイ・マジョレルのテーブル・ランプと書斎机を展示。マジョレルは、エミール・ガレと並びナンシー派と呼ばれ、アール・ヌーヴォーを代表するデザイナーだ。

ナンシー派は日本との関係も深く、植物学を学ぶためにフランスに滞在した高島北海が彼らの自然主義に大きく影響を与えたことはよく知られている。一輪のスイレンをモチーフとするテーブル・ランプは、完全な形で残る大変貴重な1点。

その他、女性と睡蓮のつぼみが可愛らしいインク壺、小皿、花瓶などデスクの周りに置かれるもの、そして、当時邸宅の装飾として大変流行した版画などが展示される。

貴婦人の部屋

desk
書斎が男性的な空間とすれば、女性の部屋は異なる趣を持つ。

アール・ヌーヴォーの時期、デザインにおける女性的感性の重要性は非常に高まり、優美であること、繊細にして華麗であることがデザインの基本原理と考えられた。

本展2つめのメイン・コーナーとなるこのコーナーでは、貴婦人たちの世界が紹介される。日本でもよく知られているルネ・ラリックの七宝の飾りピン、ジョルジュ・バスタールのらでん細工による扇子、またエミール・ガレによる典雅な植物模様寄木象嵌と5匹の蛙たちがどこかユーモラスな婦人用机などが並ぶ。

加えて、ラリックの宝飾品のための、あるいはガレの家具のためのデッサン、ウジェーヌ・グラッセの女性像素描なども展示される。

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